当社の取り組みEffort

継続改善をスピード感を持って行えるよう、
鶴見製紙ではきめ細かな人材教育を行っております。

DX戦略

2025.8.22 「DX戦略書 2025」公開しました。

DX取組み宣言

鶴見製紙は、廃棄書類・機密文書が多く発生する首都圏に工場を持ち、いわば「都会という森林」の中で「原料」となる廃棄書類・機密文書を受け取って、溶解し、再生紙100%のトイレットペーパー(以下、TP)をつくってお客様にお届けするという循環型ビジネスモデル「鶴見製紙の循環の輪」を時代に先駆けてつくってきました。

脱炭素社会の実現の重要性が地球規模で強く認識されるようになってきているなか、社会やお客様に「鶴見製紙の循環の輪」への共感の輪を広げ、より多くの会社や生活者とともに、「回収・溶解・製造・TPとしてのリサイクル」という循環型ビジネスモデルを拡大していく重要性が高まっています。

一方、再生紙TP業界においては、世の中のデジタル化の進展に伴うペーパーレス化が大きなインパクトです。古紙と機密書類が減少する中、それらを安定確保できる製紙会社のみが、循環型ビジネスモデルを回していけます。

2023年7月のDX認定申請時に書いた上記の認識は不変です。その認識のもと、3つのDX戦略を推進してきました。その進捗状況は以下の通りです。

  • DX戦略1 【IoTによる保全管理の徹底および生産設備の省エネ化による生産工程の脱炭素化を推進し、効果を数値化し、共感の輪を広げる】
  • → IoTによる保全管理の徹底による安定操業の推進、およびメインの生産設備の省エネ化により、生産工程での脱炭素化は順調に進んでおり、2028年度の5%の省エネ化目標は達成できる見込みです。その推進状況は、HP上で地球温暖化対策推進法にもとづく審査資料を公開し、アピールしております。

  • DX戦略2 【脱炭素化に効果があるTPの長尺化の推進】
  • → 長尺化比率は、2022年度12%、2023年度23%、2024年度28%と着々と増加しております。芯ゴミの削減、配送効率アップ等による環境貢献が進んでおります。環境貢献をお客様にアピールし、「鶴見製紙の循環の輪」を大きくしていけるかが今後の課題です。

  • DX戦略3 【「鶴見製紙循環ボックスサービス」の開発と普及】
  • → 「鶴見製紙循環ボックスサービス」により、お客様に「そこに入れた廃棄書類・機密文書がTPとして再生される」「鶴見製紙の循環の輪の一員であることを実感していただく」狙いがありましたが、目標台数に対して大きく下回りました。社員一同、鶴見製紙の提供価値をお客様が理解し、共感したうえで当社のTPを買ってもらうシンボルタワーとしての「ボックスサービス」であることを改めて認識し、当初目標を達成できるように邁進していきます。

以上に加えて、最近、鶴見製紙の価値を生み出している人的資本である社員が、継続的に毎日生き生きと楽しく働けるように日々労働環境を改善することの重要性が益々高まっていると痛感しています。

「紙の再生」を支える電気エネルギーを無駄なく利用するために当社では24時間操業が不可欠ですが、その負担感を減らすために最も効果があるのは、トラブルを減らして稼働率を上げることです。

トラブルを減らすためには、難易度が高い仕上げ工程の精度を上げていく必要があり、次の2つの側面から取組みを進めていきます。

  • ① オペレーション精度を向上させるために、これまでトラブル発生後の検証のために利用してきたAIカメラの画像分析に踏み込み、「良いオペレーション、悪いオペレーション」を社員が画像でリアルに学べるようにして、オペレーション精度向上のための教育を徹底します。

  • ② 機器稼働精度の向上
    工場内の設備は多岐にわたり、その一つひとつのパーツが正常に作動することが重要です。センサーや総合的な管理ソフトウェアを有効に活用し、工場全体の稼働精度を底上げしていきます。

従来からの3つのDX戦略に加え、4つ目のDX戦略として、「デジタル機器を有効活用したトラブル削減による日々の労働環境の改善」を加えます。これにより、労働環境を向上させ、生き生きと楽しい労働環境が生み出す「鶴見製紙の循環の輪」をさらに強力に推進していけるものと考えております。

2025年8月22日
鶴見製紙株式会社
代表取締役社長 里和 永一

経営理念・経営ビジョン

【経営理念】

我社は、リサイクルを通してお客様の満足を追求すると同時に、社員全員の物心両面の幸せを追求し、循環型社会の創造と地球環境の保全に貢献し続けます。

【経営ビジョン】

脱炭素社会の実現がますます重要度を増すなか、「都会という森林の中の工場」という立地を生かして時代に先駆けてつくってきたビジネスモデル「鶴見製紙の循環の輪」を、デジタル技術を生かしてその価値を高め、共感を広げて大きくし、循環型社会の実現に一層貢献します。

DX戦略

私たちは、デジタル技術を的確に用いることにより次のようなDX戦略を推進し、製造・物流プロセスの炭素排出量を一層削減して削減効果を数値化し「鶴見製紙の循環の輪」への共感を広げるとともに、「鶴見製紙循環ボックスサービス」により、お客様に主体的に「鶴見製紙の循環の輪」に加わっていただく活動を展開していきます。また、新たに追加したDX戦略④でデジタル機器を有効活用したトラブル削減を進め、生き生きと楽しい労働環境が生み出す「鶴見製紙の循環の輪」をさらに強力に推進していきたいと考えております。

  • DX戦略 1.IoTによる保全管理の徹底および生産設備の省エネ化による生産工程の脱炭素化を推進し、効果を数値化して共感の輪を広げる。
  • DX戦略 2.長尺TPの比率を高め、包装資材の削減、物流効率アップで、脱炭素化に貢献する。
  • DX戦略 3.デジタル技術で効果的に管理された「鶴見製紙循環ボックスサービス」により、「ボックスに入れた廃棄書類・機密文書がTPとして再生される」喜びをお客様と分かち合い、お客様が「鶴見製紙の循環の輪」に主体的に参加していただける活動を展開する。
  • DX戦略 4.デジタル機器を有効活用してトラブルを削減し、生き生きと楽しい労働環境が生み出す循環の輪を推進する。

DX戦略推進体制および人材の育成

(1)当社は、社長直轄で部門横断の「DX委員会」を設置し、下記の組織でDXを推進します。

(2)今後の鶴見製紙の発展にとって、デジタル技術の活用が鍵であるとの認識のもと、次のような施策を実施します。

  • a. 月に一度DX委員会を開催します。
  • b. 半期に3回全社員の参加を義務づけている「ITツール勉強会」を今後も継続して開催します。

環境整備

(1)予算

今後ともデジタル技術の活用が鶴見製紙の発展の鍵であることを認識し、毎年売り上げの1%をデジタル技術に投資します。

(2)レガシーシステムの刷新方針

これまでも適宜古いシステムのリニューアルをおこなってきたが、今後も継続して刷新していきます。

数値目標(KPI)

DX戦略 目標値(KPI)
戦略 1. IoTによる保全管理の徹底および生産設備の省エネ化による生産工程の脱炭素化を推進し、効果を数値化して共感の輪を広げる。
  • ① 2028年度末までに1ケースあたりの炭素排出量を5%削減する。
  • ② 炭素排出量の削減効果の進捗に応じてHPおよびパッケージ上でアッピールすることを今後も丹念に継続する。
戦略 2. 長尺TPの比率を高め、包装資材の削減、物流効率アップで、脱炭素化に貢献する。
  • ① 2023年度基準で2028年度末までに長尺比12→50%とする。
  • ② 炭素排出量の削減効果進捗に応じてHP・SNSおよびパッケージ上でアッピールする。
戦略 3. デジタル技術で効果的に管理された「鶴見製紙循環ボックスサービス」により、「ボックスに入れた廃棄書類・機密文書がTPとして再生される」喜びをお客様と分かち合い、お客様が「鶴見製紙の循環の輪」に主体的に参加していただける活動を展開する。
  • ① 2028年度末までに1000台設置する。
戦略 4. デジタル機器を有効活用してトラブルを削減し、生き生きと楽しい労働環境が生み出す循環の輪を推進する。
  • ① AIカメラの画像分析をおこない、「良いオペレーション、悪いオペレーション」を社員が画像で学べるようにする(2025年度末)。その後、繰り返し社員教育を行うとともに、画像教材の精度も高めていく。
  • ② これまでも行ってきたセンサーや総合的な管理ソフトウェアの活用をさらにきめ細かくおこない、製造部の稼働率を現行の80%から、2028年度末までに85%にまで高める。
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